TOP >  特集記事 >  ニッポンの凄い投資信託 リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2016 >  最優秀運用会社スペシャルインタビュー スパークス・アセット・マネジメント(3/4)

最優秀運用会社スペシャルインタビュー スパークス・アセット・マネジメント(3/4)


ニッポンの凄い投資信託 リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2016

投資信託 株式部門 最優秀運用会社賞

GDP上位5カ国の株式部門では史上初、3年連続受賞
アメリカでの刺激的な体験がバリュー投資の原点

スパークス・アセット・マネジメント 代表取締役社長 阿部修平氏

日本にも株式投資の「レジェンド」が出てきてほしい

sparks3

――株式投資と聞くと、いまだに抵抗があるという人も多いと思います。

 日本には株式投資はギャンブルでクリーンでないイメージがあります。日本のエスタブリッシュメント層ですら、「私は株式投資をしたことがありません」と、誇らしげに話すことがあります。アメリカだったら自ら、「非常に無知な経営者です」と言っているのと同義です。しかし、日本では20数年デフレが続いて、株式投資をすれば損をするという時代でしたので徐々に投資に対するネガティブなイメージが醸成されてしまったのでしょう。これを、「株式投資で毎年安定的にリターンを出したので私はかっこいいんですよ」、というイメージに変えていかないと、投資家の金融リテラシーも上がってこないですよね。それは、私たちのような運用会社がいつも襟を正し、投資にポジティブなイメージを抱かせるようなブランドをつくっていかないといけません。株式投資をみんなが取り組みたい、かっこいいものにしていかないと駄目ですよね。

 アメリカでは時間がかかりましたが、投資が定着しました。背景には、市場が順調だったことと、バフェットやピーター・リンチ(※)のような投資のレジェンドが出てきたことが挙げられます。日本の場合は、これまで株式投資で財を成した人が出てくるとレジェンドでなくネガティブなイメージにとらえられてきました。これをレジェンドと、とらえられるようにしなければなりません。

 株式投資で私が一番重要だと思うのが、企業の経営者、オーナーになったつもりで考えることです。オーナーとしてその企業に参加すると、自然に長期投資になりますよね。私はスパークスの創業者で、いまだに過半数の株を持っていますが、株を売ることは考えていません。信頼され尊敬される会社になろうということだけを考え経営しています。

もともとは分析系の仕事を志していた

――著書の『株しかない』(幻冬舎)で、アメリカでの留学のお話などもありました。その当時の経験などをお聞かせください。

 私は上智大学の4年生のときに留学したんですよね。バブソンカレッジでMBAコースに入りました。上智大学でまったく勉強しなかったので、最初、ものすごく大変でしたが、2年生になるときには、クラスメイトに家庭教師をするくらい勉強ができるようになったんです。「ケース分析」が得意で、成績がよくなりました。アメリカの教育システムは優れていて、一個一個まじめに勉強していると、全体が体系化するようになっているんです。会計や財務が分かってくると、とてもおもしろくなってきて、もっと勉強したいと思ったんですよね。

 アメリカに残ることも考えましたが、バブソンカレッジには博士課程がありませんでした。そこで日本に帰ってきて、ケース分析の仕事がしたいと思い、野村総研に入社し株式分析の仕事をするようになりました。入社前から株式分析をしようと思っていたわけではないんです。

※ピーター・リンチ……1944年生まれの米国人投資家。株式投資で、2000万ドルの資産を140億ドルにまで増やした実績を持つ。