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最優秀運用会社スペシャルインタビュー T&Dアセットマネジメント(2/3)


ニッポンの凄い投資信託 リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2016

投資信託 ミックスアセット部門 最優秀運用会社賞

大手運用会社とは違った特徴で勝負
個人の投資は「リスク目線」で考える

T&Dアセットマネジメント 執行役員 運用部門担当
チーフ・インベストメント・オフィサー 運用統括部長 山中清氏

株式投資はリスクに見合ったリターンが得られるもの

――これまでの経歴を教えてください。

 大学を卒業して大同生命に入社し、2年間支社で事務を経験した後に本社に異動になり、その時から有価証券運用に係わり始めました。そこで株式関係の仕事をずいぶん長く務めた後、投資顧問会社に出向して株式のファンドマネージャーを5年ほど務めました。その後大同生命に戻って、今度は事業債関係の仕事に携わりました。それから日本格付研究所という格付会社にしばらく出向した後に、また株式の仕事に戻って来ることになりました。振り返ると日本株の調査に携わっている時期がかなり長かったという印象です。

――もともと株の運用や、債券の運用に興味があったのでしょうか。

 全くないです。たまたま生命保険会社のローテーションの中で有価証券に配属になって、そこからですね、今のキャリアが始まったのは。今は運用をやりたい方がいらっしゃって、最初から運用会社に来られる方も多いんですけど、我々のときはそうではなかったですね。

――その当時、株式投資に対してどういった印象を抱いていましたか。

 株ってやっぱりおっかないものだと思ってましたね、どちらかというと。「投資」と「投機」の色分けも自分の中では明確になかった、まだそんな知識水準でした。

 市場にはボラティリティ(変動幅)がありますよね。そういう面で株はダイナミックで、リスクもあるんですけれども、長期的な視点に立って、投資という観点から資金を投じていくと、リスクに見合うリターンが上がってくることが、実践しているうちにだんだんわかってきました。

少額で投資を始めて、投資を学ぶことが大切

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――バブル景気もリアルで見ていらっしゃるんですね。

 バブルのときは何でも上がっちゃうという世界でした。そのときは誰もがハッピーになるんですけれど、その裏に隠れているリスクが認識できていないような恐ろしい状況にもなります。

 投資することに対して、どれだけ儲かるのかという「リターン目線」はあるんですよね。世の中に氾濫してますよね、株で何億儲かりました、10倍になりましたとかいう話が。けれども、やっぱり持つべきは「リスク目線」、つまり儲けるために損する可能性はどのくらいあるのかということです。「損ができる余裕」がどのくらいあるのかを考えたうえで、だったらこういう投信を買ってみよう、こういう投資をしてみようというふうに考えてほしいと思うんですよね。「これだけ儲かるからやるんだ」じゃなくて、「失敗しても、このくらいだったら大丈夫だね」と思うところから始めた方がいいんじゃないかなと思います。

 日本人は投資教育を十分に受けてないので、まず投資を始めてみることだと思うんですよ。少額でいいから始めてみる。自分で実際に投資をしてみて、投信を買ってみて、それでその値動きや、どういったリスクやリターンがあるかを学んでほしい。その学びが今後、自分のライフステージが変わるごとに適切な投資をしていくための、投資の幅が広がることつながると思います。

 損をしちゃうと辞める人が多いんですよね。やっぱり危ないよねと。そうじゃなくて、これだけの損だったらまあいいかと覚悟を決めて投資をしていくのがすごく大事だと思います。

――これまでいろいろと運用の経験をしてきた中で、「あのときは危なかった」という体験はありましたか。

 ショックの前兆みたいなものは、タイミングを見るのはすごく難しいと思います。例えば原油の市場でもそうですけど、原油1バレルが100ドルを大幅に超えているようなときに、30ドルを割るようなところまで下がるかって、たぶん誰も考えてなかったんじゃないかなと思います。そういった中で、リスクを把握する難しさはものすごく感じます。

 ただし、その後に強く思うのは、明けない夜はないということです。リーマン・ショックの後もリカバリーしてきましたし、この先、中国でのショックをはじめとしたいろんな要因で株が下がったとしても、また再びリカバリーがどこかで始まるはずだと考えています。そういった面では、短期的な目線というよりは、もうちょっと長い目で、悪くなったときにこそ長い目で前向きに考えた方がいいんじゃないかなと思います。

 あとはやっぱり、みんなが「今の市場はいい」と言っているときは気をつけた方がいいですね。