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REITファンド基礎知識&運用戦略


人気だからこそ、魅力とリスクを正しく知りたい REITファンド基礎知識&運用戦略
人気だからこそ、魅力とリスクを正しく知りたい REITファンド基礎知識&運用戦略

REITファンドが人気です。個人投資家の中には、「人気だから」「パフォーマンスが良さそうだから」という理由でREITファンドを買った人もいるかもしれません。みなさんはREIT(不動産投資信託)がどのような資産か、ご存知でしょうか?

REITファンドは、REITの魅力とリスクをきちんと理解し、市場の現状を知ったうえで運用することが大切です。REITファンドをすでに持っている方も、これから買おうと思っている方も、本特集をきっかけとしてREITに親しみ、REITをどのように運用すべきかを考えていただきたいと思います。

投資信託の人気はREITに集中

2016年7月25日現在、国内で設定されている投資信託(ETFを除く)の純資産総額のトップ3は、以下のとおりです。

2016年の上半期は、全体として投資信託の売れ行きはあまり芳しくなかったようですが、REITファンドだけは例外だったようです。株式市場の不透明感が増し、債券の利回りも低迷する中で、REITのリターンが魅力的に映ったのは必然といえます。

例えば、J-REITの全銘柄の平均利回りは3%台です(2016年7月25日現在)。米国やオーストラリアのREITの平均利回りはJ-REITを上回っており、この点が海外REITの人気の理由となっています。

一方で、REITは値動きの幅が大きいという特性もあります。海外のREITであれば、為替変動の影響も受けます。短期的には値下がりのリスクがあるので、決して「REITだけを持っていれば安心」とは言い切れません。

REITの収益源は「賃料収入」と「売却益」

「REITは利回りが高いし、市場が好調で値上がりも期待できそうだから買った」
という方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、REITファンドは資産運用にとって有効な商品ですが、だからこそ中身を正しく理解することが必要です。

ここで、REITの仕組みについておさらいしましょう。

REITの仕組み

REITは、投資家から集めた資金で不動産を購入し、運用を行います。不動産の賃料収入や売却で得られた利益を、分配金として投資家に分配します。つまり、REITが賃貸マンションを保有している場合、マンションに入居している家族が毎月支払う家賃が、巡り巡って投資家の収益となるわけです。また、REITが賃貸マンションを売却した際に売却益が発生したら、その利益も投資家に還元されます。

一般の投資家が不動産をまるごと購入して運営するのは難しいですが、REITという仕組みを使えば比較的少額で不動産を運営でき、その利益を享受できます。
当然、不動産の賃料が高くなるほど投資家の利益は増えますし、REITの投資口価格は上がります。逆に、賃料の下落や不動産の稼働率の低下はREIT価格や分配金が低下する要因となります。
先ほどの賃貸マンションの例で言えば、不景気やビルの経年劣化などが原因でマンションの入居者が減ると賃料収入は落ち込み、REITにとってはマンションの運営が苦しくなるため、投資家にとっては分配金の減少や投資口価格の下落という形で損失を被ってしまいます。

このように、収益の仕組みが直感的にわかりやすいこともREITの魅力といえます。

不動産の種別ごとに値動きに特色

賃料や稼働率は景気の影響を受けます。景気が良ければREITの価格や分配金も上がりやすいですし、景気が悪化するとその逆のことが起きます。ただ、投資する不動産の種類によって、価格変動の傾向は異なります。景気の影響を受けやすいか受けにくいか、景気に沿って価格が動くか、景気より遅れる傾向があるかなど、不動産ごとに特色があります。

REITが投資する主な不動産の種類と、その一般的な傾向は以下のとおりです。

  • REITの仕組み-オフィスビル
  • オフィスビル
    オフィスの需要そのものが景気動向の影響を受けやすいことと、契約期間が数年程度と比較的短いため、オフィスビルに投資するREITの価格変動や分配金は景気に対して敏感な傾向があります。
  • REITの仕組み-住宅
  • 住宅
    REITが保有する賃貸マンションは規模が大きく、入居者はそれほど頻繁に入れ替わらないため、賃料の水準が景気変動の影響を受けにくく、投資口価格や分配金は比較的安定して推移する傾向があります。
  • REITの仕組み-商業施設
  • 商業施設
    商業施設やショッピングセンターのテナントの賃料が商業施設特化型REITの収益源です。個人消費の動向がテナントの収益や稼働率を左右するので、REITの値動きは景気に影響されやすいといえます。
  • REITの仕組み-ホテル
  • ホテル
    ホテルの稼働率は景気動向のほか、運営方針や立地といった要因による影響が大きいため、REITの運用力が問われます。投資対象がビジネスホテルかリゾートホテルかの違いによっても値動きの傾向は異なります。
  • REITの仕組み-物流施設
  • 物流施設
    物流の拠点となる倉庫などが物流施設特化型REITの投資対象です。オフィス型と同様に景気変動の影響を受けやすい傾向がありますが、物流の需要の高まりを受けて、近年大きく成長してきました。
  • REITの仕組み-ヘルスケア施設
  • ヘルスケア施設
    ヘルスケア施設とは高齢者向け住宅や介護施設、病院などのこと。ヘルスケア施設の需要は高まっているものの、REITの収益性については、施設を運営するオペレーターの運用力が鍵を握っています。

REITにはこれらの種類の不動産に特化して投資する「特化型」のほか、複数の種類の不動産に投資する「複合型」もあります。国内外のREITファンドは、これらの個別のREITを複数組み入れて運用しています。

市場平均に連動するインデックス型ファンドではREITの種別を細かく見ることにさほど意味はないかもしれませんが、運用会社がREITを選別して投資するアクティブ型ファンドの場合は、運用報告書に目を通して、投資対象としている不動産の種別とその割合を見て、先行きが期待できるかどうか検討してみるといいでしょう。

識者に聞く、世界のREIT市場の現状と見通し