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BAMワールド・ボンド&カレンシー・ファンド

更新日 2016年4月28日

外国債券による長期運用に「ウィンドミル」という選択肢

BAMワールド・ボンド&カレンシー・ファンド(毎月決算型)
(愛称)ウィンドミル

BAMワールド・ボンド&カレンシー・ファンド(1年決算型)
(愛称)ウィンドミル1年

ベアリング投信投資顧問

2016年4月28日
Special Talk Session 特別対談

ベアリング・アセット・マネジメント・リミテッド 岡部 佳昭氏

イデア・ファンド・コンサルティング 吉井 崇裕氏

個人の資産運用にとって、魅力的な利回りで安定した運用成果が期待できる外国債券は定番の投資対象だ。数多ある外国債券ファンドの中でも18年に及ぶ運用期間と抜群の安定度で投資家から高い支持を受けているベアリング投信投資顧問の「ウィンドミル」。ロンドンを拠点に同ファンドのマザーファンドを運用する岡部佳昭氏と中立的な視点でファンドを評価するアナリストである吉井崇裕氏が、「ウィンドミル」の安定運用の秘訣をテーマに対談した。

基準価額が大幅に変動しないよう、為替変動リスクを管理し、安定的な収益を目指す――岡部

岡部 佳昭氏

岡部 佳昭氏

吉井 長期投資を志向する投資家の間では根強いファンが多い「ウィンドミル」ですが、改めてどのようなファンドなのか聞かせてください。

岡部 海外の格付けの高い債券を投資対象とし、市場動向に関わらず中長期的には下落を避け、安定した収益を確保することを運用目標に据えたファンドです。1年、2年といった短期間では下落する局面もありましたが、おかげさまで5年間保有していただいた場合にマイナスに陥ったことは設定以来、一度もありません。 2013年10月には、NISA(少額投資非課税制度)での投資先として活用いただけるよう、1年決算型の「ウィンドミル1年」を設定しました。

吉井 毎月決算型の「ウィンドミル」は、設定来18年に亘り安定的な運用実績を残してきました。その実績が評価されてか、最近では、「ウィンドミル1年」にも継続的な資金の流入が確認できます。マイナス金利政策の影響で期待リターンの低下が懸念される国内債券に代わる運用先として選ぶ人が増えているようです。 世界的に金融市場は不透明な情勢が続いています。どのような債券を中心に現状は投資しているのですか。

岡部 欧州ではマイナス金利政策の採用国が増えています。「ウィンドミル」ではこうした国々を避け、相対的に魅力的な金利水準にある米国やオーストラリア、英国などの国債や地方債(州政府債等)、国際機関債などに重点的に投資しています。A格以上の高格付けの債券が9割程度を占め、元本の保全性にも留意しています。

吉井 これからの外国債券運用において投資先の選別が欠かせないという考えには私も賛同します。 ところで、外国債券運用には、為替変動リスクが付き物ですが、一般的な外国債券ファンドでは、為替ヘッジあり・なしのどちらかしか用意されていません。これに対し、「ウィンドミル」では通貨の運用もプロの運用担当者が行い、為替変動リスクを管理してくれるところに特徴があります。これまでの投資行動の狙いを教えてください。

岡部 為替の変動性が高まる局面ではポートフォリオ全体の対円での為替ヘッジ比率を引き上げ、資産の保全を図ることを心がけています。例えば、リーマン・ショック時。リーマン・ブラザーズ社の破たんまで想定していた訳ではありませんが、米国の不動産バブル崩壊のリスクが高まっていると判断し、危機発生前の2007年の夏頃には為替ヘッジ比率を大きく引き上げ、その後の大幅な円高局面を乗り切りました。 このように、「ウィンドミル」では基本的に、為替変動リスクを抑えて、債券での収益の最大化を狙います。一方、為替での収益機会が存在する場合には、為替からの追加的な収益の獲得を図ります。直近では、ポートフォリオ全体の対円での為替ヘッジ比率を高位に維持しながらも、原油価格の一時的な反発を受け上昇したカナダドルや豪ドルを売り持ちとし、その分、米ドルを買い持ちとしました。

吉井 「ウィンドミル」は、基準価額の動きを見るとおとなしい運用をしている印象ですが、水面下では機動的に通貨配分を動かしているところに運用の繊細さを感じます。

通貨配分の推移(ウィンドミル)

通貨配分の推移(ウィンドミル)

データ期間:2000年1月末から2016年3月末(月次)。

※その他には英ポンド、カナダ・ドル、豪ドル、ニュージーランド・ドルなどが含まれます。

※通貨配分は、対純資産に占める各通貨の構成比率を示しています(2013年10月末以降はマザーファンド)。

※通貨配分は、債券配分に現金等および為替ヘッジの対純資産に占める比率を加算して算出しています。

※通貨配分の円の部分には、為替評価損益が含まれます。

※上記は過去の情報を基に作成されたものであり、将来の投資成果等を予測あるいは保証するものではありません。

基準価額の推移(ウィンドミル)

基準価額の推移(ウィンドミル)

保有期間別の累積リターン*(ウィンドミル)

保有期間別の累積リターン*(ウィンドミル)

*設定来の基準価額(税引前分配金再投資)の日次データを基に、基準日まで一定期間当ファンドを保有した場合の累積リターンを表示しています。

データ期間:1998年4月28日(設定日)~2016年3月31日

※基準価額、基準価額(税引前分配金再投資)は、1万口当たり信託報酬控除後の値です。基準価額(税引前分配金再投資)は、税引前分配金を全額再投資したと仮定して算出したものであり、当社が公表している基準価額とは異なります。

※上記は過去の情報を基に作成されたものであり、将来の投資成果を予測、または約束するものではありません。

短期的な運用成果ではなく、長期投資のなかでこそ存在意義がわかる「守る資金」の運用先として期待する――吉井

吉井 崇裕氏

吉井 崇裕氏

吉井 安定的な外国債券運用を続けるための秘訣は、どういった点にあるのでしょうか。

岡部 市場の短期的な動きを当てることは非常に困難です。例えば、私が毎月の雇用統計の数値を予想するにしても必ず当たるとは限りません。大事なのは経済指標を読み市場が発するサインを理解して、自分なりの確固とした中長期の見通しを立てること。そしてその見通しに基づいた投資戦略を維持することです。投資戦略が、短期の市場動向でブレてしまっては、中長期で平均以上の運用成果は得られません。

吉井 岡部さんの持つ見通しは、時として世間一般とは異なることもあるのですが、常に一貫しています。運用者の見通しやそれに基づく投資戦略が一貫していることは、ファンドを選ぶ側にとっても非常に重要なことと言えます。 では、今後の債券市場の見通しについては、どのように考えていますか。

岡部 マイナス金利政策が象徴するように、低金利は新たな投資テーマになりつつあります。その背景には、世界的な高齢化による経済の低成長があります。日本はもとより米国も中国も、人口動態の高齢化は長期的なトレンドです。生産年齢人口の比率が低下すれば、経済が低成長に向かうのは自然なことで、それ自体が悪いものではありません。問題は、国や企業の債務が積み上がりながら低成長が続くことです。元利金の返済にお金を取られて、経済活動にお金が回らないネガティブな状況です。

吉井 低金利のトレンドが変わるとすれば、どのようなきっかけが考えられますか。

岡部 経済成長率が高まることが不可欠です。例えば、ITなどのイノベーションの速度が高齢化による人手不足の進行ペースを上回り、経済全体の需給がうまく最適化していくようになれば、新たな成長シナリオが生まれる可能性はあるでしょう。もしそうだとすれば、日本は最先端のモデルとして脚光を浴びるはずです。もう1つのきっかけは、債務が大幅に減少することです。極端な話、デフォルトが急増して債務減免が進めば、経済が身軽になって次の成長サイクルに入ることもできるでしょう。ただ、当面はこうしたシナリオが描きにくいため、低成長・低金利が長期化すると考えています。

吉井 では、相対的にみて投資妙味が高いのは、どういった債券になるのでしょうか。

岡部 組入銘柄が示すように、信用力の高い国債、中でも金融緩和の余地があるという意味では米国やオーストラリア、英国の債券になるでしょう。社債はデフォルトの増加に注意するべきだと考えています。

ポートフォリオの状況(2016年3月末現在)

ポートフォリオの状況 (2016年3月末現在)

*国際機関債等には公社公団債が含まれる場合があります。

※マザーファンドのポートフォリオの状況を記載しています。

※格付は、原則としてS&P、ムーディーズ、フィッチのうち上位の格付を用いて算出しています。

※比率は全て対純資産総額です。四捨五入の関係で合計が100%とならない場合があります。

吉井 アクティブ型の債券ファンドとして、「ウィンドミル」では今後、どのような運用を目指していますか。

岡部 今後も中長期で安定した運用を目指していきたいと思っています。金利の変動幅そのものが少なくなり積極的な値上がり益を狙うことは難しくなっていますが、世界の債券市場を見渡せばまだ魅力的な投資機会は多く存在しています。また、為替における投資機会も大きくなると考えています。景況感の悪化で各国が通貨安競争状態にある現在、為替は従来に比べ予測しやすい投資対象になることが想定されます。

吉井 そういう意味では、「ウィンドミル」の柔軟かつ機動的な投資戦略を生かしやすい環境といえるかもしれません。私は「ウィンドミル」に対して、逆境に強いファンドという印象を持っています。中長期投資を続ける中で、市場環境が悪化した時にこそ、このファンドの存在意義を感じることができるのではないかと思います。個人の資産運用における「守る資金」の投資先として、今後の運用に期待しています。

(注)当対談において、「ウィンドミル」は「ウィンドミル(毎月決算型)」 、「ウィンドミル(1年決算型)」の両ファンドを指す場合があります。また、過去のパフォーマンスについては、「ウィンドミル(毎月決算型)」のデータを用いて説明しています。

対談を終えて安定的な資産形成を目指す分散投資において、いわゆる安全資産といわれる高格付けの債券ファンドは欠かせない資産クラスです。それは史上最低の金利水準となった現在においても変わりません。金融市場が悲観的な局面において逃げ場となるのは、いつの時代も高格付けの債券だからです。 高格付けの外国債券ファンドが抱える主なリスクに、金利変動リスクと為替変動リスクがあります。史上最低の金利水準といわれる昨今においては、特に為替変動リスクの管理が重要です。債券投資でわずかな利益が得られたとしても為替が円高に振れれば、その利益は一気に吹き飛んでしまうからです。

吉井 崇裕氏「ウィンドミル」の特徴は、この金利変動リスクと為替変動リスクを柔軟に調整しながら安定的な運用成果を目指すことにあります。例えば、金利変動リスクに対しては、金利低下(債券価格上昇)余地のある国の債券を選好することはもちろんのこと、金利の見通しに応じて、満期の長さを大胆かつ巧みに調整してくれます。為替変動リスクに対しても、その変動幅や方向性に配慮しながら、機動的かつ繊細に配分を変えてくれます。こうした運用を行う債券ファンドは、日本では極めて少ないのです。「ウィンドミル」は独自性の高い運用を行う唯一無二のファンドと言えます。世界経済の先行きが不透明な投資環境においては、この「柔軟な運用」がますます重要になってくるとあらためて感じました。

岡部 佳昭氏
岡部 佳昭氏

1996年よりロンドン在住。米ワシントン大学卒業。国内系運用会社にて日本債券、グローバル債券ポートフォリオ運用を担当した後、1998 年ベアリング・アセット・マネジメント・リミテッド入社。グローバル債券担当ディレクター。1999年半ばより18年に亘り当ファンドの運用に携わる。ロンドンから世界を俯瞰した同氏のグローバル・マクロ分析は高い定評を得ている。

吉井 崇裕さんイデア・ファンド・コンサルティング代表取締役 兼楽天証券経済研究所ファンド・アナリスト
吉井 崇裕さん

投資信託業界での販売・運用・評価 分析という幅広い経験から業界の裏事 情まで熟知し、投資信託の評価においては定量・定性分析の両面に精通する。ファンド・アナリストとして、国内約5,000本の投資信託を常時分析している。楽天証券のコラムや日経マネーなど執筆多数。

※吉井崇裕氏は、本企画に対する対価や報酬は受け取っていません。また、原稿内容において個別商品の推奨を行うものではありません。

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