TOP >  こちら『NISA de 投資信託』編集部 >  第97回 日銀に買い支えられる日本株

第97回 日銀に買い支えられる日本株

更新日 2016年9月21日

アイコン

前回は「国策に売りなし」という格言とともに、日銀によるETF(上場投資信託)の買い入れについて書きました。古くから投資に親しんでいる人はご存知かと思いますが、そもそも「中央銀行がETFを通じて国内株式を購入し、保有する」ということ自体が異例であり、世界でもほとんど例がないことです。

日銀によるETFの買い入れは、リーマン・ショックの影響で不況にあえぐ2010年10月に始まりました。当初の買い入れ枠は年間4500億円でしたが、その後幾度かの変更があり、2016年7月の金融政策決定会合では買い入れ枠を年間6兆円に拡大することが決まりました。

日銀が購入しているETFは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に連動する商品です。日銀はETFの購入を通じて、日経平均株価に採用されている国内企業225社の株式、もしくは東証1部の上場企業約2000社の株式に投資していることになります。その結果、いくつかの企業では日銀が実質的な筆頭株主になってしまいました。今後、日銀は毎年6兆円のペースでETFを買い進めます。2017年末には、55社の企業で日銀が筆頭株主になるという試算もあります。

現在、国内株式に投資する投資信託を保有する投資家にとっては、ETFの買い入れ枠の拡大は朗報です。日経平均株価やTOPIXは2016年に入ってから冴えない値動きを続けていますが、もし日銀の買い入れがなかったら、今よりさらに落ち込んでいたことは想像に難くありません。今後、米国の景気拡大や新興国経済の復調などポジティブな外的要因があれば、国内株式市場も追い風に乗って上昇することが期待できます。その際には、日銀によるETFの買い入れが株価の大きな推進力になりそうです。