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第123回 投資信託の「賞」は有効な指標なのか?

更新日 2017年2月8日

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投資信託の良し悪しは簡単に判断できません。単純に考えるなら、手数料を差し引いた収益が最大となった投資信託が最も優れているといえますが、投資信託の難しいところは、その運用実績が今後も継続するとは限らないことです。投資信託の値動きの大半は景気、金利、為替といった市場全体の要因が占めており、値動きの傾向は投資対象によって異なります。例えば、好景気であれば債券型より株式型の方がほぼ確実に高収益となり、不景気になるとそれが逆転します。この1年だけの実績を見て「債券型のA投信より、株式型のB投信の方が優れている」とは言えないし、そもそも債券型と株式型は優劣を比較すべき対象ではないのです。

投資信託の良し悪しを比較するためには、少なくとも投資対象が共通していることが条件となります。投資信託のアワードや賞が年に何本も選ばれているのはこうした事情のためです。「国内の中小型株ならこの商品」「米国の投資適格債ならこの商品」「バランス型のうち、低リスクでアセットアロケーションを行うタイプならこの商品」といった具合に、投資対象を分類したうえで分類内で比較するから、受賞商品の本数はどうしても多くなってしまうのです。

選考基準は、賞を主催する会社ごとに異なります。例えば本サイトにも掲載した「リッパー・ファンド・アワード」の場合は、運用成績のみで最優秀ファンドを選出しています。その他の会社が選定する賞については、運用成績だけでなく複数の評価基準で決められることが多いようです。

こうした事情を踏まえたうえで、投資家が商品を選ぶ際に「賞」が有効な指標かどうかを考えるならば、その答えは「有効である」となります。少なくとも過去において、同種の商品より優れた運用をしていたことの証明が「賞」であるなら、今後も同様に優れた運用を続ける可能性は高いと判断できるからです。しかし、それはあくまで過去の話であって、市場環境が変化すると状況が一変するかもしれません。ファンドマネージャーも人間なので、どのような相場環境でも常に優れた運用ができるとは限らないのです。受賞した商品であっても全幅の信頼を置くのではなく、運用動向を定期的にチェックしながら運用したいものです。