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第126回 「運用利回り」の賞味期限

更新日 2017年3月1日

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世界的な低金利のために、「安定的に高い運用利回りが得られる投資信託」が見つけづらくなっています。

かつては、先進国のソブリン債に投資する投資信託で年5%前後の運用利回りが得られました。しかし、そうした状況は2008年のリーマン・ショックによって一変しました。日本、米国、欧州の先進国は、景気を刺激するためにゼロ金利、金融緩和、果てはマイナス金利と金融緩和を続けてきた結果、債券の利回りは歴史的な低水準となりました。米国はようやく状況が好転しつつありますが、それでもリーマン・ショック前の、政策金利が3%前後あった頃の市場環境とはほど遠いのが現状です。

そのような状況でも、投資信託の運用会社は、投資家にとって魅力的な運用利回りを実現するためにさまざまな商品を開発してきました。ただ、具体例を出すことは控えますが、短期的には期待通りの運用成績を実現できても、1年か2年すると価格が一気に落ち込んでしまうような商品もありました。

そうした中でも運用利回りが比較的高く、投資家にも支持され続けているのは、国内外のREIT(不動産投資信託)や、ハイイールド債券(信用力が低く、利回りが高い債券)を対象とした投資信託です。ただし、いずれも先進国債券と比較すると値動きは安定しておらず、市場環境の変化によって大きく下落してしまう可能性があります。

今後も、高い運用利回りを実現するために、複雑な仕組みで運用する投資信託がいろいろ設定されると思います。こうした商品は、うまく活用すれば資産運用の強力な武器になりますが、使い方を誤ると大きな含み損を抱えることになります。このような投資信託は長期で保有することを考えず、「賞味期限」があるものだと割り切ったうえで運用した方がいいのかもしれません。