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編集長のNISAdeのほほん投資日記

第2回 世界は低金利。債券に投資すべきか、それともREITがいいか?

2016年6月17日

10年国債の利回りがマイナスの日本

前回のコラムでは新興国株式について書きました。一般的に、分散投資の基本は国内外の株式と債券の4資産に投資することです。株式の次は債券を検討すべきところですが、ご存知のとおり、日本では日銀が2016年1月29日にマイナス金利を導入しました。マイナス金利は金融機関が日銀に預けている当座預金の金利に適用されるものであり、これによって個人の預貯金の金利がマイナスになるわけではないのですが、国債などの金融商品への影響は確実に出始めています。
例えば、「長期金利」と呼ばれる10年国債の利回りは低下を続けています。日本国債はマイナス金利の導入を発表した11日後の2月9日に、10年国債の利回りが初めてマイナスとなりました。6月16日時点で-0.2%程度。最近では15年国債の利回りもマイナスとなっています。

他国に目を向けると、スイスは日本より早く長期金利がマイナスに突入していて、10年国債の利回りは-0.5%を下回っています。ドイツの10年国債も、6月14日に史上初めて利回りがマイナスを記録しました。
日本や欧州と比べれば、米国はかなりましな状況ですが、4月に政策金利の利上げが見送られたことも影響しているのか、長期金利は1%台後半で頭打ちとなっています。高金利通貨と言われていたオーストラリアも、今は2%をわずかに上回る程度です。
こういう厳しい数字を見せられると、先進国債券への投資に尻込みしてしまいます。

2016年6月16日のある時点における各国の10年国債の利回り(単位%)

各国の10年国債の利回り

出所:各種データをもとに編集部作成

もちろん、国債や投資適格社債と比較して利回りが高いハイイールド債券や新興国債券という選択肢もあります。ブラジルの10年国債の利回りは13%近い異次元の水準なのですが、そのぶん為替変動などのリスクを負うことになります。前回のコラムで「資産運用とは、欲張らず数%の利回りを狙うもの」と書いた手前、株式も債券も新興国にだけ投資するのは極端すぎます。いわゆるジャンク債(金利は高いが信用格付けが低く、発行体である企業などの破産や債務不履行の可能性が相対的に高い債券)を投資対象とするハイイールド債券の投信も、同じ理由で今回はパスしたいと思います。人気の米国ハイイールド債券ではなく、にわかに注目を集めつつある欧州のハイイールド債券も検討したのですが、いまのところ設定されている商品はどれも毎月分配型で、年1回決算型の投信はないみたいですね。

直近では株式より値動きが大きいREIT

それでは、一定の利子収入が期待できる資産クラスとして、REIT(不動産投資信託)はどうでしょうか。
REITといってもJ-REIT、先進国REIT、新興国REITがあって、それぞれアクティブ型とインデックス型がありますが、REITの投信を買うとしたら手数料を重視して、運用管理費用が安いインデックス型で、なおかつノーロード(購入時手数料なし)の商品を選びたいと思います。
REITはよく「ミドルリスク・ミドルリターンの資産」と言われますが、実際にはREITの値動きは株と同じくらい、場合によっては株以上に大きいのが現実です。確かめてみましょう。三菱UFJ国際投信の「eMAXIS」の各商品の値動きを、「eMAXIS新興国リートインデックス」が設定された2013年11月18日以降の約2年7カ月で比べてみました。

「eMAXIS」5商品の分配金再投資基準価額の推移と標準偏差
(2013年11月18日~2016年6月16日。2013年11月18日の基準価額を10000として指数化)

「eMAXIS」5商品の分配金再投資基準価額の推移
標準偏差

出所:三菱UFJ国際投信の基準価額データより編集部作成

値動きの大きさを表す標準偏差を同期間で比較したら、「先進国株式インデックス」と「新興国リートインデックス」がほぼ同じ。5本のうち最もパフォーマンスが良かった「先進国リートインデックス」は12.6%と、これらを大きく上回りました。この期間は、REITの方が株より激しい値動きを示したわけです。
気になるのは、値動きの傾向が似ていること。株式とREITは、値動きの幅こそ違いますが、だいたい同じタイミングで同じ方向に動いています。新興国債券も同様の傾向が見られます。
ちなみにグラフには載せませんでしたが、「国内リートインデックス」はリターンが「先進国リートインデックス」をやや上回り、標準偏差は「先進国リートインデックス」と「先進国株式インデックス」の中間という、相対的に優秀なパフォーマンスを示しました。ただ、値動きの傾向は海外のREITや株式とかなり似ていました。

債券とREITにそもそも投資すべきかどうか、もう少し考えたいと思います。