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編集長のNISAdeのほほん投資日記

第23回 「トランプ・ショック」は幻だったのか、これからが本番なのか

2016年11月11日

日経平均株価は919円安からの1092円高

日本時間の11月9日に開票が行われた米国の大統領選挙は、ご存知のとおりトランプ氏が勝利をおさめ、次の大統領になることが決定しました。
この日の午後、私はとあるファイナンシャルプランナーの事務所へ取材に行っていたのですが、大統領選挙の結果が記事の内容にも関係するということで、テレビをつけながら、選挙の動向を気にしながらの取材でした。
4年前や8年前のようなオバマ氏の優勢が伝えられていた状況とは異なり、トランプ氏とクリントン氏の支持が非常に拮抗していたうえに、トランプ氏の言動は過去の大統領と一線を画した独特なもので、そういう意味でも世界的な注目を集めていたため(かなり表現を抑えています)、普段は政治や経済にあまり関心を払わない層にも、ワイドショー的というかゴシップ記事のような関心を集めていました。

トランプ氏が当選する公算が高まるにつれて、為替市場や株式市場はものすごい動きを示しました。ドル/円の為替レートは105円台から一時は101円台まで急落。日経平均株価も1日で1000円以上動く大荒れの相場となり、11月9日の終値は前日比で919円安となりました。「まさかトランプが当選するなんて。米国発の恐慌の始まりだ、トランプ・ショックだ」ということで、あわてて株式の個別銘柄や投資信託を売却した人も少なくないと思われます。

ところが、日本時間の11月9日午後に動いた相場は、深夜のニューヨーク市場で一気に巻き戻りました。朝起きたら日経平均株価は17000円を超え、ドル/円も104円台に乗ったのを見て、前日に株式を手放した人は激しく後悔したかもしれません。11月10日の日経平均株価は1092円高と、これまた極端な1日になりました。11日午前の段階では、さらに株高と円安ドル高が進行しています。1ドル=106円台は3カ月半ぶりとのことです。

今は1ドル106円台だが、今後は円高の可能性も指摘される

私の投資信託の運用成績は、11月2日時点の+1837円(+1.84%)から、11月10日時点では+2044円(+2.04%)と、トランプ効果でむしろ上がりました。

思い起こせば、6月24日の英国の国民投票でEU離脱派が勝利した直後もドル/円は99円台まで円高が進み、日経平均株価も暴落したものの、わずか数日で以前の水準に戻りました。今回の大統領選挙でも私は「英国のときと同じように数日で元に戻るだろう」と高をくくっていたのと、新政権に対する市場の評価が定まってから動いても遅くないだろうという判断で、投資信託を売りも買いもしなかったのですが、その判断は現状では吉と出たようです。

ドル高と株高が進んだ理由は、共和党が大統領選挙の勝利だけでなく議会でも上院、下院ともに過半数を占めたことで、法人税の減税など企業にとって有利な政策が推進されることへの期待が大きいと思われます。
一方で、ある著名なエコノミストの記事で、トランプ氏はドル高を望まないために、ドル安政策によって円高が進むのではないかという見解が示されていました。円高は株安の要因となるので、エコノミストの見解どおりに米国が動けば、日経平均株価はここから下落することになります。

11月9日の「トランプ・ショック」はひとまず収束しましたが、世界経済が今後どう動くかを読むのは難しくなりそうです。本当の「トランプ・ショック」はこれから始まるのかもしれません。動向を冷静に見極めながら、必要に応じて投資信託の購入や売却をしようと思います。金融に対する不安が高まると円高が進む傾向があるので、海外の資産に投資する投資信託を選ぶ際には、当面は「為替ヘッジあり」を選ぼうと考えています。

もっとも、米国人にとっては株価や為替どころの騒ぎではなさそうですが。今回の選挙をきっかけに噴き上がったさまざまな問題が、平和的に解決されることを望みます。